SP-UP08T


設計
JBLの有名なフルレンジユニットLE8Tを使用したスピーカーがサンスイから発売されていました。
視聴した事もありますが、それほど印象に残っていません。
所詮20cmフルレンジ一発、何かと欠点があるのは仕方ないでしょう。
むしろ印象深いのは、サンスイのスピーカーのデザインです。
格子を使用したサランネットは、音にはマイナスと思いますが、なかなか格好が良いと思います。
昨日、ミニサイズの格子を入手したので、それを使ってミニスピーカーを作って見ようと思いました。

さて、格子のサイズは幅178mm、高さ304mm、厚み8.5mmとなってます。
サンスイのSP-LE8Tの幅と高さの約半分ですので、10cmユニットを使えば、ハーフサイズでぴったりです。

10cmのフルレンジは、何種類かありますけど、ルックスの点で近いのがフォステクスのFX120となります。
同じようなデザインでUP120が有り、ちょうど手元に有るので、それを使う事にします。
箱のサイズは、幅と高さはミニ格子で決定されます。
奥行きは、板取の関係から、224mmと決めました。
容量は6.8リットル、メーカー推薦箱より、かなり少ない目です。
ただ、今回は「サイズの割に低音も出るじゃないか?」と驚く感じが欲しいので、妥当な容量です。
当然、バスレフの効きも強めに設定しました。
5x5cmの角ダクトでバッフルと背板を繋いで強度アップ、ダクトの入り口は底板側に持っていって、中高音のモレを軽減しています。

格子をハメル必要から、本体の箱を、もうひと回り大きい枠で囲む構造とします。
本体の箱は12mmのラワン合板、外枠は見かけの点から12mmのシナベニア合板を使いました。
板は12mmと薄いものの、天地左右は2枚重ねの24mm、また構造から考えても十分な強度があると思います。

図面を見る

組み立て
最初にダクトを作成しますが、接着してからだと、内側の塗装が出来ないので、予め黒で塗っておきます。
短い部分によって出来る、穴をキャビネットの下方に来る様にバッフルに貼り付ければ、ユニットから出る中高音が漏れてくるのを多少防ぐ事が出来ます。

図面では、補強板としてフレーム構造の板が有りますが、実際はカットしていません。
丸穴の加工代も安くは有りませんが、角型を抜く加工代は大変高いので、自分で穴を開けました。
ジクソーでの加工なので、美しくは出来ませんけど、どうせ箱の中は見えないので適当で大丈夫です。

ユニットの取り付けは何時もの様にT字ナットを使用しています。
何度も言いますが、ユニットを何度も付け直す可能性の高い自作の場合、木螺子は頼りなく感じます。(馬鹿になってくるから)
グラスウールは、対抗面に貼る程度で十分でしょうが、何となくダクトの回りも貼って見ました。

本体の完成後は、回りの化粧枠(?)の作成に入ります。
此方の方は見栄えが大切なので、シナベニア合板をしようしましたが、それでも小口は合板を主張しています。
個人的には、何層にも重なっている様子は嫌いでは無いですけど、今回は隠す方向で行きました。
小口テープを接着して、見栄えを良くする事にします。
テープは薄い板の裏に接着剤がついていて、アイロンの熱で溶かして接着するタイプです。
乾燥(冷却)時に、多少縮むので、予めはみ出るように接着しておいて、冷えてからカッターナイフで余分な部分を切り落とします。
小口が隠れると、一見単板の様に見えるようになります。

本体の塗装は、バッフルと背板のみでOKです。
適当にペーパーをあて、黒の水性塗料をザット塗っておきました。
化粧板と格子板は、チーク色の水性ニスを3度程塗り。
化粧板で本体を囲むように接着すれば、箱は、ほぼ完成です。

ターミナルは今回、新しいタイプを使用しました。
値段も4個で1,470円と安く、ケーブルとの接続も容易、バナナプラグにも対応と、今後の作品の標準になりそうな優れものです。

格子の取り付けはマジックテープで行い、外せる様にしておきます。
格子の裏にサランネットを貼りたい所ですが、適当な物が無く、無くてもルックスは悪くないので、後回しと言う事にしました。
ユニットに当たらない程度に1cm厚のウレタンを貼り、そこにマジックテープの片方を貼ります。

視聴
予定通りに、強調された中低音が厚く出ます。
ウーファーに近いUPシリーズならではで、FEシリーズの軽さとは異なります。
その分、多少中音がマスクされ、情報量が不足している感じも有ります。

また、中高音に僅かな歪感が有りますが、これは箱の構造(化粧板)からくるものかも知れません。
また最高域は早い目に落ちているのか、ユニットの真正面で聴きたい感じも有ります。

中低音は厚いとは言え、本当の低音は出ていないので、全体的にはナロウレンジな印象です。
とは言え、通常のソースは立派に再生しますし、特にジャズには良い感じの薄暗さが有ります。
狙い通りの、ちょっと懐かしいサウンドが得られたと言えるでしょうか。

測定結果と自己採点

80cmの台にのせ、ユニットの軸上80cmでの測定を行いました。
測定してみると、予想以上にハイ落ちの感じがあります。
低音は80Hzまでキッチリ出て、それ以下は急降下。
上は2KHz以降、だらだらと下がっていってます。
全体としては、なかなか優秀な特性に見えます。

中低音の厚みに関しては、ユニットの実力以上に出せた事に満足です。
今となっては、ハイファイスピーカーとして不満が出てくるクォリティと思いますが、通常の音楽を聴くには十分です。
スーパーツィーターの追加は有効ですけど、ルックスをスポイルするのは大問題でしょう。

目的のレトロな印象の箱も実現しました。
ユニットの取り付け位置の設計ミスと、仕上げの下手さを考慮しても満足度は85%って所かと思います。


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