経緯
夜間に使用しているのはメーカー製のミニスピーカーです。
ONKYOのD-308Mは1本1万円を切る価格でCPは非常に高いと思います。
10cmの2ウェイバスレフで音良し、ルックス(仕上げ)良しで、サブには十分な実力が有ります。
ただ、自作派を自称している以上、出来れば自作スピーカーを使いたいと考えていました。
そこで最近見つけたのがTangBandの25-1414scというツィーターです。
チタンドームの非常にコンパクトなユニットで、直径が66mmしかありません。
価格も安く、これを使った2ウェイでD-308Mに対抗したいと思いました。
設計
D-308Mの大きさは幅136、高さ241、奥行き154mmなので、それよりは小さくしたい所。
この程度のサイズだと8cmフルレンジを使った段階で低音が厳しくなるので自宅に有ったフォステクスのFW108を使用します。
バスレフに出来なくもありませんが、FW100、FW108、FW108Nは、小さな密閉で使うとなかなか良いと言う経験がありましたので、今回も密閉で行きます。
前から見て小さく見えるように、ウーファーをサイドに取り付ける構造を採用します。
元々、高音がスムーズに減衰しているFW108を横に向ける事によって、ハイパスフィルターを省略出来ると思います。
(最新型のFW108Nの場合は中高音に多少のピークが有るので、フィルターは要るかも)
フロントにはTangBandの25-1414scを取り付け、2〜3KHzでクロスさせれば、良い感じだと思います。
このツィーターのfoは800Hzと低いので-6dB/octの2000Hzクロスも問題なく使えるでしょう。(ボリュームも上げないと思うし)
60x45cmの板から2本とるつもりで設計しました。
完成サイズは幅100、高さ190、奥行き190mmとなり、D-108Mよりコンパクトに見えると思います。(実際コンパクト)
容量は1.5リットル、foc=100Hz、Qoc=0.58となります。
このサイズで板厚15mmを使ってますので補強は無しで行きます。(補強分の容量減も馬鹿にならないので)
FW108はインピーダンスが4オームで能率が84dB、25-1414scは同じく4オームで90dBですので、アッテネーションは必要。
ツィーターには直列に4オームの抵抗を入れ、6.8uF〜8.2uFのコンデンサーで低音をカットします。
この辺りは、測定と視聴をしながら決定する事にします。
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組み立て
サイズも小さいし、パーツも少ないし、単純な構造って事もあり、釘を使わず木工用ボンドとハタガネでくみ上げます。
ウーファーは吸音材や、最終的なネットワークの調整等で頻繁に取り外す可能性があるので、六角ボルトとT字ナットでの取り付けを行います。
気休めにウーファーの取り付け穴をヤスリで広げておきました。
ターミナルとアッテネーター用の穴は背板に設置します。
サイズが小さすぎて、お気に入りの安いターミナルは使いにくいので、トリテックのCU-T40を使用します。
アッテネーターはフォステクスのR80Bです。
吸音材はグラスウールをフワリと一枚入れる程度で十分かと思います。
品ベニアの具合が良いので塗らなくても良いくらいでした。
ただ、素地だと汚れてきますし、スピーカーの持ち運びで等で手に木片が刺さったりするのが嫌なので、一応塗ります。
今回も水性ニスをザッと2度塗る程度ですましました。
ネットワークを組み込む前に、ターミナル用の穴からケーブルを引き出して、ネットワークのテストを行いました。
ツィーターに対して4オームの固定抵抗をシリーズに繋ぐ予定でしたが、そのままアッテネーターを繋いでコンデンサーを大きい目にしても特性上も視聴上も問題ありませんでした。
ツィーターに対しては10uFのコンデンサー(自宅に有ったフォステクスのUシグマコン)一発、アッテネーターもフォステクスのR80Bです。
箱が小さいので大きいUシグマコンの設置位置が問題です。
ウーファーの真後ろは避けたいし、ツィーターの裏に貼る訳にもいかないので、結局ツィーターの直下の位置にブチルゴムで貼り付けました。
視聴
このスピーカーのセッティングは色々なパターンが考えられます。
ツィーターを正面に向ける場合で、ウーファーを内、外、上、下に向ける4パターン。
ウーファーを正面に向ける場合でも、ツィーターを内、外、上、下に向ける4パターン。
それぞれで、大きく印象が変わってくるので、設置場所や好みに応じて変更して使うべきでしょう。
深夜のサブで運用する場合、設置場所の関係でツィーターは正面、ウーファーは上向きになります。
ただ、完成直後の視聴ではツィーター正面、ウーファー内向け(向かい合わせ)で行いました。
60cmの台に乗せ、スピーカーの間隔を1m程度開けた状態でスピーカーから2m程度離れての視聴です。
フルレンジを使用したコンパクトスピーカーとは異なり、存在感の有る低音が出ています。
サイズ以上のスケール感もありますけど、ミニスピーカーの限界も感じます。
低音から高音まで、全域にかけてソフトな音色で、ボリュームを上げてもウルサイ音は出ない印象。
最低域と最高域の伸びは感じられず、かまぼこ型のF特性を感じさせる音です。
中高音に若干の薄さがあるので、コンデンサーをもう少し大きくしても良いかも知れません。
情報量不足の感はウーファー(リコーン直後)とツィーター(新品)のエージング不足が影響している様です。
鳴らしている間に、どんどん良くなってるので、上記の問題(コンデンサー増量)もしばらく様子を見ようと思います。
オーディオ的に驚かせるタイプの強烈録音のソフトの再生は無理、一般のソフトに関しては破綻無く再生できます。
能率は低い目なので、このセッティングだとボリュームを上げ気味になっていますが、結構パワーも入るようです。
ボリュームを上げると箱全体が踊るように振動していますが、全体の強度は低くないと思います。
ウーファーを上向きにセットすると、中低音の力感が「おっ」っと声が出るほど向上するので、こちらを標準としたくなります。
ウーファーを内側や外側にすると、スピーカー間の距離や壁の距離に敏感になり、下手にセットすると違和感が出まくるので注意しないといけません。
音場型スピーカーとしての性格も強く持っているので、ポンと置いて良い音を得ようとするのは甘い感じです。
一方、ウーファーを正面にセットしてツィーターを上や左右にセットしても面白い音になります。
アッテネーションに余裕があるので、あえて音場型スピーカーとして使うのも有りでしょう。
測定
完成サイズは幅10cm、高さ19cm、奥行き19cm(ターミナル含まず)、重さは約2.1Kgです。
高さ50cmの台の上に置いて、ツィーターの軸上50cmでの測定を行いました。
1ドット0.5dBです。

ウーファーを正面に向け、アッテネーターを絞った状態。

ツィーターを正面に向け、アッテネーターは-6dB絞った状態。
低音は80Hzまで頑張ってストンと切れています。
多少のウネリは有るものの、この構成(ウーファーがサイドに付いている)にしてはフラットです。

同条件でオンキョーD-308Mを測定してみました。
能率は同じか、多少高いか?
低音も同じく80Hzまでですが、レベルが多少高いです。
総評
音は目標としていたオンキョーD-308Mには負けていないと思います。
ルックスも「私の作品としては」悪くありません。
セッティングでコロコロ音が変わるので運用が難しいと思いますが、楽しいとも言えます。
1本1万5千円としてもCPは高いので、満足度も95%、今回は成功でした。
穏やかな音質も気に入りましたのでサブスピーカーの座をD-308Mから奪い取る事になりました。