設計
購入しただけで結局は使っていないユニットが押入れに沢山あります。
知人がゴールデンウィークにイベントが無いと言っていたので、「スピーカーを作ってみないか?」と唆したら、まんまと引っかかりました。(しかし、現在も未完成)
「どんなスピーカーが良い?」と聞いたら「でかい音が出せる豪快なスピーカー。」との答え。
彼は、何回か私の犠牲(スピーカーを作らされている)に成っているので、今回は組み立てが多少高度なバックロードホーンにして見ました。
使用するユニットはテクニクスの20F20です。
このユニットは直径156mm、厚み20mmの巨大なマグネットを使用した強力なユニットで、バックロードホーンで使用しても充分な駆動力を持っています。
組み合わせるツィーターは、純正のペアツィーターと言える5HH10です。
比較的新しい長岡式バックロードホーンは、現在使用しているD-55も含め、巨大化しています。(特に奥行きが深い。)
また、ツィーターはキャビネットの上に置くのが標準ですけど、これも使い勝手は良くありません。
そこで、基本的にはコンパクトで(D-3クラス)、ツィーターを予めキャビネットに組み込んだ形にしようと考えました。
バックロードホーンの形式として、前面にホーンの開口がきているタイプ(D-55等)と後方にきているタイプ(スワン等)が有ります。
ホーンの開口が上や後ろにやると、ホーン開口から漏れる中高音が直接耳に入り難くなりホーンのクセが減ります。
しかし、前面開口タイプの押し出しの圧力は魅力ですし、いっそ「ホーンから漏れる中高音も直接聞こえる」バックロードホーンにしてみようと考えました。
これらの条件を加味して、フルレンジは、ほぼセンターに取り付け、開口は直ぐ下に来る構造にしました。
幅が比較的狭いのと、音道断面積確保の為、音道部分の板は15mm、側板は21mmを指定していましたが、板の購入時に側板は24mmにしました。
これは、シナベニアをラワン板に変更すると、24mmにしても、ずっと安かったので、作成者(及び使用者)が希望した為です。
15mmラワンが1.5枚と24mmラワンが1枚で2本取れる経済的な板取になっています。
空気室の容量は約10リットル、スロート面積は25.5x5cm、開口面積は25.5x31cm、ホーン長は約1.8mと、低音よりはむしろ中低音がモリモリ出る計算です。
コンデンサーは1.0uFでツィーターを繋ぐ予定ですが、中低音に合わせて強調し、ドカドカ&シャンシャンの派手な音調を狙います。
完成した図面を見ていると、ユニットの上のスペースが広く、「フランケンシュタイン」のオデコのイメージが有りますので「フランケン」と命名しました。
なお、このスピーカーは天地を入れ替えて、ホーン開口を上にしてセッティングしても面白いかも知れません。(ネーミングは「ヒゲだるま」でも良かったかな?)
なお、図面にはFE203シグマと5HH10になっていますが、これは途中で変更になりました。
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組み立て
番号に従って、バッフル部分、天板部分、背板部分、地板部分のパーツごとを組み立てていきます。
これらの作業は、予め釘を打つ場所に穴を開けておく事と、二人以上の手を使って行うことが必須です。
両方の条件が揃っていないと、失敗する事請け合いで、大きなスピーカーの場合は、余計に前準備と人手は必要な様です。
16と18の板が作るデッドスペースには、結局グラスウールを詰めるに留めました。
砂や鉛などを流し込んだほうが、音は良くなるかも知れませんが、その為には、片一方の側板が完全に乾いてから、流し込まないといけません。
単に板を張り合わせているだけの組み立てを行う場合、一気に組み立ててしまい、全体として精度を出すので、途中で乾くのを待つ訳にはいきません。
とにかく、一気に組み上げてしまい、側板をシッカリ押さえつけて(釘で)しまう事が肝心です。
気を付けるのは、内部の配線で、組み上げてしまった後では行えないので、側板を蓋する前にはユニットの穴から引き出しておきます。
1の板に開けた穴は、ケーブルが通るぎりぎりの穴で、かつボンドで埋めておきます。
埋めておくのに使うのは、木工ボンドよりエポキシボンドが好ましいのですが、手元に無かったのでコンクリメントボンドを使用しました。
このボンドは乾いても目減りが少ないので、側板を接着するのに用意してあった物ですが、結局は木工ボンドで接着しました。(隙間が少なかったので木工ボンドでOKと判断)
ちゃんと下準備をしていた状態で、二人で約4時間で組み上がりました。
なお、作業は自宅ではなく、使用する友人宅で行った関係で、途中経過の写真は有りません。
写真はともかく、工具が揃っていないので、作業効率が低めだったかも知れません。(アルコールもガンガン入った状態だったしね。)
塗装
組み立て完了後、数日後にはユニットを取り付け、音だしをしてしまった様です。
使用者である知人が「塗装不要」と言っているのを、どうこうする事は出来ませんから、彼の気が変わらない限り、未塗装と言う事になります。
見た目のバランスは、まずまずで、強いて言えばツィーターの取り付け位置を1cm下にしたいです。
仕上げをしていないので、釘穴や、その位置を決める為に引いた線が気になり、塗装ぐらいはして欲しいなぁ。
D-55に比べてコンパクトな印象で、奥行きが45cmと言うのは、使いやすいサイズです。
重量は25Kgと、それほど重く無いですが強度は充分、ボリュームを上げてもビクともしません。
音道を構成する部分は15mmですが、それぞれのパーツがお互いに補強しあっている構造が効いています。
なお、写真で見られるボルトは、付けると音が2割増良くなります。(ウソ)
視聴
使用者である知人宅で視聴する事が出来ました。
当初の予定通り、床に直置きして、胡座をかいての視聴です。
先ず感じるのが能率の高さで、ボリュームを少し上げただけで、とても大きい音が出ます。
視聴上の能率は、私のメインシステムのD-55を上回るのではないでしょうか。
音離れが良く、明るく豪快な音調で、音が生き生きとしています。
ホーン開口から漏れる中高音の為か、エコー成分が強く感じられ、音場の奥行きも深くなります。
一方、共鳴音もかなり感じられ、幾つかの場所(周波数)で、ボーボーと鳴っています。
視聴上ではフラットではなく、何だか滅茶苦茶な特性が予想されますが、個性の範疇に(無理やり)収めたいと思います。(設計時の目標だからね)
ただ、最高域の伸びはイマイチで、レベルも少し足りない気がします。
視聴時に、ツィーターは正相で接続されていましたが、逆相も試してみたいですし、コンデンサー容量も、少しアップしたい感じです。
管弦楽器のオーケストラは厳しいと思いますが、女性ボーカルは意外と綺麗で実用になります。
もちろん、知人が聞くポピュラー系の音楽は、豪快&爽快に鳴らして見せます。
自分で組み立てた思い入れ(実は私も手伝ったけど)も影響しているのでしょう、すっかり気に入った知人は、このスピーカーをメインスピーカーの座へ昇格し、以前使用していたスピーカーは、お払い箱となりました。
測定結果と自己採点
視聴の数日後、自宅に持ち込めたので撮影と特性を取ってみました。
なかなか愉快な結果が得られています。(一枚目床置き、二枚目は高さ20cmの台に載せ、天地逆)
3.5KHzにピークを作った後、高音は伸びていますが、視聴上は、それ程でもありません。
低音は1KHzから100Hzまでは左上がりに持ち上がり、豪快な低音の原因となっています。
この特性を見るとFE208SやFE208ESあたりを入れたほうが、フラットな特性が得られそうです。
また低音の盛り上がりを考えると高音も対抗してコンデンサーをもう少し大きくしても良さそうです。
バックロードホーンの最初の音出しとしては上出来、気になる共鳴音はエージングで収まることを期待&予測して、満足度75点です。(塗装なしで10点減点)


