カルタス16F


設計
16cmのフルレンジで2,000円を切る値段、それに結構評判も良いと言う事でダイトーボイスってメーカーのDS-16Fと言うユニットを買いました。
プレスフレームと小型(直径7cm)のマグネット、ダブルコーンとあいまって、何ともレトロな感じがします。
説明書も何も無いので、詳しいスペックは分かりませんがダイヤトーンのP-610と同様、密閉でも低音が出るタイプの様です。
長岡鉄男氏の記事では「ダクトのチューニングを80Hzくらいのバスレフが適当」との事。
大きい目(80リットル程度)の箱に入れ、大きなダクトを駆動させる方針だと思いますが、ユニットの駆動力からしても、共振周波数の高さから見ても、低音の輪郭がぼやけてしまう気がします。
また、2,000円を切るユニットにサブロク1枚以上を使用するというのも、何となく勿体無い感じがしますので、ここは半分で済ましてしまいたい所です。

約20リットルのテスト箱で、密閉とバスレフで聴いて見ましたが、低音に関しては、それくらいで行けそうな感じがします。
何時もの様に、「床にあぐらをかいた状態で視聴する高さ」に設定、板取を考えて容量は28リットル、共振周波数58Hzのバスレフとしました。
容量を減らした事により、中低音の量はバスレフのダクトに期待する分が不要となります。
ダクトを狭めて、共振周波数を下げる事になりますが、あえてユニットの実効面積の約1/2と大きい目にとりました。
低音不足の状態になるよりは、多い目に出しておいて、視聴の後に、ダクトに何かを入れて調整します。
なにせユニットのスペックが分からないので、長年の勘での設計となりました。

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組み立て
今回の変わった所は、中央にある補強板くらいでしょうか。
三角柱を微妙に角度をつけて設置し、定在波を防ぐのと、左右の側板の補強を兼ねています。
隙間にはコンクリートを詰めておきますが、板に予め釘(ステンレス製)を打ち付けておき、コンクリートが外れないようにしておきます。
何時ものように釘とハタガネを使って組み上げますが、あくまで釘は補助的な扱いです。
ハタガネで締め付ける事によって、木工用ボンド本来の接着力が発揮される筈です。
吸音材はバスレフにしては、やや多い目に対向面に貼り付けます。
本当はもう少し大きい目の箱で使いたいユニットなので、多少のQ0を下げる方向にしてます。
フェルトとグラスウールの両方を使用しましたが、特に意味も無く適当です。
ただ中央の補強棒(コンクリート詰め)を包むのはフェルトの方が良さそうです。
ターミナルは、近頃お気に入りのワンペア1,470円の金メッキの物。
これは箱に5mmの穴を開けて使うタイプで箱の強度を落とす事は無いですし、ユニットとの接続もやり易いです。
ユニットの取り付けもいつものTナットと6角ボルト。
そんなにユニットを取り外す機会も少ないと思いますし、ユニット自体も軽量なので木ネジでも良かったと思います。
ただ、まぁ安心感は全然違いますけど、、、。

設計図の更新は1月でしたが、完成は5月になってしまいました。
それも塗装は行わない状態で、「組みあがった」だけです。
塗装は後日行うとして、とりあえず音だけは出せる状態になりました。

視聴
箱が組みあがって約1週間、箱自体のエージングは多少進んでいる筈です。
ユニットのエージングは、ユニットを逆相に接続し、大音量でピンクノイズを再生する方法で数時間行いました。
まぁ初期エージングは完了していると言えるでしょう。

さて視聴です。
普段良く聞くCDを片っ端から鳴らしてみました。
先ず気が付くのが、予想外に低音が締まっている事です。
容量不足の感が有るので、中低音がボンボン言うかと思っていました。
ダクトの調整(開口面積を縮めて共振周波数を下げる)も不要で、このままでいいと思います。
吸音材を多い目に使用した事が功を奏していると言えます。(むしろ締まりすぎ?)
流石に16cmで、最近作成してきたミニスピーカーとは違うスケールの大きさを感じさせます。
高音も多少物足りないですし、最高域の伸びも有りませんが、高域に有る癖が、それを誤魔化しています。
16cmのフルレンジの場合、箱によってツィーターをプラスしたくなります。
今回の低音の量だと、このままでも何とか使えそうな感じです。
全体的な情報量は、控えめで、音色もドライなので、古いジャズにはぴったり。
ただ、ツィーターを追加して、対応ジャンルを広げるのは良いと思います。
ダイヤトーンのP610DBに比較しても「シットリ」とか「まろやか」とか言う表現とは無縁です。
その分、ソースは選ぶのは、価格からして仕方ないかもしれません。

能率も低くないので、けっこう大きな音が出せます。
ボリュームを上げても箱はびくともしませんし、低音の馬力はルックス以上です。
一方、中高音が喧しくなるのは、ダブルコーンで無理やり伸ばした影響でしょう。
いずれにしても製作費用が1万円弱としては、音質は満足と言え、満足度は90%です。

測定
測定で使用したのはベリンガーDSP8024とEMC8000です。
直接たたみの上に置いて、ユニットの軸上50cmで測定しました。
ピンクノイズを発生させ、ピークホールドした値となります。
ディスプレイ上のドットとドットの間は3dBと設定しました。

測定上で出ているほど低音のピークは気になりません。(部屋の影響も大?)
4KHzを中心に有る山が、このユニットの癖を作っていると思われます。
この辺りをカットして2ウェイ化したら、質は向上すると思いますが、元々そんな目的で使うユニットでも無いと思います。
こんなものは無視して、ツィーターを被せるのが本筋です。

2006年06月08日 更新
箱を塗装しました。
持ち運んでも手を木屑で怪我をしない程度の適当な塗装です。
色は、もちろん白です。
カルタスなら、車体を大きく見せる為に白に塗るべきでしょう。(笑)

音は、益々良くなって来てます。
中高音の癖が減少してるにも関わらず、情報量アップ、低音の量感も増した感じです。
色々なツィーターを追加して試していますが、音色的にはハードでないホーンツィーターが良い具合です。
ホーンツィーターを小容量のコンデンサーで低音をカットし、スーパーツィーターとして使うより、クロスオーバー周波数を7KHz〜8KHzで繋いだ方が、厚い(熱い)音がして気持ちよいです。
この場合、能率の差からアッテネーションが必要なのですが、それはパナソニックのSA-XR55のバイアンプ機能を使えば、何とかなります。
現在はテクニクスの5HH10を3.3uFのコンデンサーでカットして被せています。
非常に安価なスピーカーですが、2006年06月現在は、私のメインスピーカーとして活躍しています。
古典的なジャズは勿論、鬼束ちひろ、平井堅あたりのボーカルも、良い味を出しています。
長岡鉄男氏推薦の強烈優秀録音の再生は無理、しかし視聴頻度は低いので問題なしとします。


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