設計
青天井166Eはバランスの良いスピーカーとなりました。
と、言えば聞こえが良いですけど、実は低音も高音も不足気味の使いにくいスピーカーでも有ります。
壁にピッタリと設置し、軸上正面で聞くと言うセッティングは現実的では有りません。
そこで不足している低音と高音を補強するオプションを設計します。
青天井166Eの低音不足の原因は、ホーンの有効長だと思われます。
設計では1.7m(これでも短い目)実際は1.6m程度しか無かったのです。
設計時のカットオフ周波数28Hzは、板取りの関係から、もう少し上げたかったのを妥協した経緯があるので多少上がるのはむしろ好ましい感じです。
一方、ホーン有効長がもたらす結果に関しては、予想以上悪い影響が出ました
。
ホーン長が1.7mで50Hzまでホーンが効いて80Hzの予定でしたが、実際は1.6mで54Hzまでホーンが効いて(なんと!)200Hzまでと言う状態になってしまいました。
50Hzまで効かせて80Hzの見込みが甘いのは確かでしたが、いくら何でも200Hzまでは悲し過ぎます。
ホーンの延長を行って、もう少し頑張ってもらいたい物です。
さて、何センチ延長すれば良いかは分かりませんが、構造上の限界があります。
上に向かって広がっていく関係で25cmを超えるとホーンの開口がバッフルより前に来ます。
その状態はルックス的に我慢が出来ないですし、25cm伸ばせば効果は有るだろうと言う事で決定しました。(ホーン長1.85mで46Hz迄効く)
一方、組み合わせるツィーターはテクニクスの5HH10に決定しました。
フォステクスのFT17Hに比べるとシャープでクールで、FE166Eには合います。
値段的にも3,500円と安くて、ルックスも良いので好きなツィーターです。
もし能力的に不満があれば、取り付け穴は直径60mmなので、フォステクスの新型(T96A-EX)に変更する可能性も有ります。
余った部分(画像の斜線部分)では、パワーアンプ用のラックを作成します。
ヨ型のパーツを2つ重ねて上に1枚の板を置けば完成の形となります。
図面を見る
組み立て
組み立ては簡単、予め重ねておいた板をハタがねを使用して接着するだけです。
塗装の前に青天井166Eの上に置いてみてビックリしました。
同じ15mmの板で作成したにも関わらず大きさが違います。
青天井の側板は15mmのラワンとMDFと言うのが効いているのかも知れませんが、並べてみると1mmはサイズが違ってしまいました。
1mmも削るのは大変なので、軽くペーパーをあてるだけで塗装してしまいました。
塗装は水性塗料の5回塗り、色は黒を選択しました。
本体と同じ様に塗っても良かったのですが、黒に塗れば視覚的に小さく見えるので、サイズの違いを誤魔化せると考えたからです。
視聴結果
測定上は、ほとんど変わらないのは謎ですが、視聴上は低音のレベルアップが感じられます。
またホーン開口から漏れて来る中高音も距離が離れた分減った感じがします。
箱の底辺の部分に置いてあった吸音材も不要となりました。
ツィーターは1.2uFのラムダコンデンサー一発、逆相で接続していますが、ハイ上がりなので、もう少し小さいコ方が通常の使い方の場合は良いと思います。
測定結果
今回から測定用のマイクとサウンドカードが変更になりました。
以前の測定は、低音がかなり多い目に測定されている感じがしましたが、今回の場合は逆に低音が少ない目に成っていると思います。(50Hz以下はノイズ)
低音に関しては今回の方が正確だと思うんですが、高音は全然駄目です。
10KHz以上はガタ落ちに成っており、ツィーターのクロスオーバー周波数辺りは何とか大丈夫と言う感じです。
測定はユニット正面50cmで行いました。(ツィーターは未接続)
最初のグラフは空気室に何も入れない状態で延長ホーン無し、その次は延長ホーン追加、三番目は空気室を小石で埋めた状態で延長ホーン無し、最後はそれに延長ホーン追加です。
空気室を狭めると中低音のレベルと中高音のレベルがやや上がっているのが見て取れます。
延長ホーンの追加による特性の変化は300Hzあたりのピークが抑えられ、その分下のディップが埋められた感じです。
いずれにしても計測上の変化は僅かです。
一方視聴上の変化は大きく、誰が聞いても差が分かると思います。
空気室の減少は中低音の増加とスピード感の増加に結びつきますが、中低音の歪っぽさがアップしてしまいます。(緊張感がアップ?)
延長ホーンの追加は低音の量感のアップが大きく、ホーン開口からの中高音の漏れも減少し、特にデメリットは無い感じです。
空気室調整無、延長ホーン無

空気室調整無、延長ホーン有

空気室調整有、延長ホーン無

空気室調整有、延長ホーン有

総評
色々手を加えて頑張ってきましたけど、結果としては費用的にもメーカー推薦と変わらなくなってしまいました。
上向き開口ホーンによる音場効果等、それなりの良さもありますが、低音不足は解消できず、メーカー推薦箱を圧倒した感じは有りません。
元々低音は欲張っていないとは言え、もう少しカットオフ周波数を上げて置くべきでした。
ただ、ここで言う低音は100Hz前後の話、通常のCDでは低音不足と言う感じは有りませんので実用的には勿論成ります。
メーカー推薦のバスレフ箱と比較しても中低音の厚みでは遥かに上回っており、視聴して低音不足を訴えたのは、オーディオマニアだけでした。(一般の友人達には「豊かな低音」と表された。)
しかし、メーカー推薦バックロードホーンを圧倒すると言う目的には不十分でしたので、満足度を80%に下げることにします。