発売直後から気になっていたパワーアンプが、このDAD-M1です。
小型で外形は150x106x41mm、重さは730gしか有りません。
実物はカタログやメーカーのサイトの写真で見るよりコンパクトで、漫画の単行本で隠せる程度の大きさです。
ケースはU字型に曲げたアルミとコ型に曲げたアルミを組み合わせた強度の高そうな構造です。
上下にはディンプルの付いたゴムシートが張られ、縦置きにも滑りにくくなっています。
それでも軽量なので、どのように置こうが、太いスピーカーケーブルの弾力で動いて(倒れて)しまう可能性があります。
設置は、本体に力がかからない様にケーブル類を注意して設置しないといけません。
フロントは電源スイッチとパイロットランプが一つのシンプル。
組み合わせたアルミの色を変えることと、曲面を意識したデザインが入っており、洒落た雰囲気があります。
リアパネルは、入力用のピンプラグ、出力用のスピーカーターミナルが一組づづで、金メッキされています。
電源イントレットは2Pのメガネで、付属の電源ケーブルも細い一般的な物です。
ボリュームは小さく使いにくいので、最大で使用してプリでコントロールするべきでしょう。
スピーカー端子が一組しか無いのは良いとして、問題は端子の貧弱さです。
端子は昔懐かしい螺子タイプ、螺子を緩めてケーブルを挟み込んで、ドライバーで締め付けて使用するので使い勝手は悪いです。
3.5スケアのキャブタイヤケーブルまでが無難で、それ以上太い場合は、ケーブル側で工夫する必要があります。(5.5スケアもギリギリ使えますが、緩めるだけでは無理で、一旦螺子を外してから締め付ける必要有り)
仕様を見ると、100W(8オーム)の定格出力で、消費電力が20Wと非常に小さいのが目立ちます。
このアンプは、1BitD級デジタルアンプで、非常に効率の良い増幅が行われるそうです。(よう分からん)
放熱用の穴も無く、小さい容量しか無いケースでも、本体がほんの僅か温くなる程度です。
待機電力も6W程度ですので、一日中電源を入れっぱなしで使うのも平気でしょう。
一般的に音を良くする工夫をすればするほど、重くなってしまう傾向が有るので「アンプは重いほど良い」と言う格言(?)が有ります。
しかし、実際は「同じ音なら、アンプは軽いほど良い。」と思うのは当然で、本製品には大いに期待していました。
20年以上前に、デジタルアンプ(スイッチング電源搭載アンプ)が市場に出回った事が有ります。
軽量、高効率を謳って登場しましたが、肝心の音がイマイチで、アッと言う間に消えてしまいました。
当時、「スイッチング電源、ヒートパイプ冷却は駄目」と言う結論に達し、現在に至っています。
しかし、デジタル技術の進歩は目覚しい筈で、今までと異なるアプローチで高音質を目指しても良いのでは無いかと思います。
さて、このアンプの音質ですが、なかなか優秀です。
なお、アンプを選ぶ傾向の有るマーキュリースピーカーのユニット(ウーファー)を使用した自作スピーカーを楽々駆動するのは立派です。
730gでは無く7.3Kgのパワーアンプと思って間違いないでしょう。
低音のパワーもあり、高音も素直に伸びているし、情報量も不満が有りません。
音調は、デジタル臭さには縁の無く、どちらかと言うと、ややソフト(シルキー?)傾向です。
定価は4万円(ペア8万円)ですが、10万円(ペア20万円)程度のパワーアンプの実力が有るのは間違い有りません。
気になるのは、特徴が無い点です。
「中高音の透明度は抜群」とか「低音の押し出しは抜群」と言う個性が有りません。
音に関してオール4の成績をとる優等生で、何か「ハッ」とする部分が欲しい気がします。
もっともこれは、完璧なパワーアンプが存在した場合、それに比較すると全ての点で「もう一歩」と言う意味です。
100万円以上するパワーアンプでも、何がしか4点の部分も有る場合が多いわけで、値段からするとコストパフォーマンスは良い方でしょう。
ソースを選ばず、スピーカーを選ばず、何でもソツ無く鳴らすのは、魅力であり欠点でも有ります。
以前のブームに、B-6と言う変わったデザインのアンプが有りました。
音は及第点だった記憶がありますが、それと良い勝負では無いでしょうか。
そういえば、フライングモールは元ヤマハのスタッフの会社なので、B-6の設計者も関係しているのかもしれないなぁ。(音も何となく似ている)
付加価値(軽量コンパクト、可愛い、稀少だ等)を加味すると、買って損の無い製品だと思います。
なお、電源ケーブルの交換は効果有り、電源の極性も注意が必要です。
アンプの上に置く重りは効果が少なく、折角の軽量(やデザイン)が無駄に成るのでやめた方が良いと思います。
2003年09月01日 補足
冬場は気にならなかったのですが、発熱は結構有ります。
クーラー無しの部屋で使う場合は、アンプの上部は開放しておいたほうが無難です。


